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高齢者の契約


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高齢者の契約について

支払能力、判断能力、成年後見制度の利用などを判断材料に契約しています。

▽成年後見制度について

平成11年12月に「民法の一部を改正する法律」が成立しました。それにより、それまでの禁治産・準禁治産の制度が補助・保佐・後見の制度に改正されました。

この制度によって、高齢者等はその状況によって、行為能力を完全に有する人のほか、3つの制限行為能力者が存在することになりました。その3つとは、新設された被補助人、準禁治産制度が改正された被保佐人、禁治産制度が改正された成年後見人です。

具体的には次のようになっています。

●被補助人
・・・精神上の障害を原因として、判断能力(事理弁識能力)が劣るものの、保佐や後見に該当しない軽度の状況にある者で家庭裁判所の「補助開始の審判」により、被補助人のために「補助人」を選任された者

●被保佐人
・・・精神上の障害により、判断能力が著しく不十分な者であって、家庭裁判所の「保佐開始の審判」により「被保佐人」のために「保佐人」を選任された者

●成年被後見人
・・・精神上の障害により、判断能力を欠く常況にある者であって、家庭裁判所の「後見開始の審判」により「成年被後見人」のために「成年後見人」を選任された者

▽消費者金融と高齢者との契約について

まず、その高齢者が、通常判断能力をもっているか、または判断能力が不足しているのかを判定しています。判断能力が不足しているために成年後見制度を利用している場合には、それに応じた対応をします。

しかしながら、判断能力が不足していても成年後見制度を利用していない場合には、後で問題になることもありますので、家族に確認して契約の同意を得るようにしています。

▽被補助人、被保佐人、成年被後見人の代理権、同意権・取消権について

新設された成年後見制度では、改正前の禁治産・準禁治産の制度に比べて柔軟な対応が可能になりました。

具体的には、本人の残存能力の活用、自己決定権の尊重の観点から代理権の付与、同意権・取消権の付与についてです。ですから、これらの人を相手にする場合には、その契約締結権限の有無、取消の適用範囲、同意の必要範囲を正確な理解が必要になってきます。

これらの3つをもう少し整理すると次のようになります。

●被補助人
成年後見制度では、当事者が申し立てれば、家庭裁判所は民法13条1項の行為の範囲内で、選択された「特定の法律行為」について、補助人に同意権を付与することができます。また、特定の法律行為について、家庭裁判所の審判により、補助人に代理権が与えられる場合もあります。同意権、代理権の有無と範囲というのは登記されていますが、債権者は登記事項について、その証明書の発行請求ができません。

よって、業者としては、家族や補助人を通じて次のことが必要になってきます。

・補助人が代理権を有するのか、本人の行為に補助人の同意が必要なのかの確認
・補助人の代理、または同意の必要な「特定の法律行為」の範囲の確認

●被保佐人
成年後見制度では、保佐人に民法13条1項の行為や、これに特定の法律行為を付加して同意権を付与するとともに、当事者が申し立てによって選択した「特定の法律行為」について代理権を付与することを認めています。

よって、業者としては、次の確認が必要になってきます。

・保佐人の有する同意権は、民法13条1項に定める行為の範囲か
・保佐人の有する同意権は、民法13条1項に定める行為から拡張されていれば、その範囲はどこまでか
・保佐人が、代理権を有する特定法律行為はどのような行為か

●成年被後見人
成年後見制度では、成年後見人に対して、代理権と取消権が付与されます。従来の禁治産とちがうところは、自己決定尊重の観点から「日用品の購入その他日常生活に関する行為」を本人の判断に委ねて、取消権の対象から除外された点です。

これによって、日常生活に関する行為が、取消しの対象にならなくなってしまいますが、その範囲は狭いと考えられますので、個品割賦の利用や融資の利用については、成年後見人によって、取消しの対象になると思われます。

ただし、審判開始前から保有していたカードで1回払いの日用品の購入などをした場合には、取消しの対象にはならない可能性が高いです。もちろん、個別的事情によりますが。

▽被補助人、被保佐人、成年被後見人と戸籍への記録について

成年後見制度での被補助人、被保佐人、成年被後見人は、戸籍に記録されるということはありません。この点も、以前の禁治産・準禁治産の制度とは異なるところです。

その代わりに、任意後見契約とともに、裁判所書記官や公証人の嘱託によって、登記所に備え付けの登記ファイルに所定の登記事項が登記されることになりました。

▽登記とプライバシー保護について

プライバシー保護の観点から、一定の人しか交付請求できないことになっています。一定の人というのは、本人、成年後見人等、成年後見監督人等、任意後見受任者、任意後見人、任意後見監督人、その他一定の人となっています。これは、代理権等の公示を行なう必要があるからです。

よって、取引の相手方、すなわち業者側は、直接請求することはできないのです。

▽消費者金融などが高齢者と契約する場合について

高齢者との取引をする際には、取引に関する関連事項の説明を行ないながら、その反応などによって、成年被後見人などに該当する可能性がないかどうかを慎重に判断しています。また、念のため「私は、被補助人、被保佐人、成年後見人には該当しない」旨を申告してもらっって取引を行なうこともあると思われます。

さらに、より確実にするために、登記所に対して、「後見登記に記載がないことの証明」を申請してもらって、その証明書を取得することもあるでしょう。

業者としては、これらを行なうことによって、成年後見人等を調査し、契約意思の確認を行い、必要に応じて代理による契約・同意を得ることができますし、また契約を締結しないという対応もできるわけです。万が一、虚偽の申告によって、後日、成年被後見人等に該当していたことがわかったときでも、こうしておくことで、詐術による取消の無効を争える可能性を残しておけるのです。

関連トピック

主婦や年金受給者の契約について

収入面が不安定な場合が多いので、消費者金融(キャッシング)業者側は、支払能力や利用目的などを慎重に確認しています。

▽主婦の支払能力の問題について

常勤していない主婦の支払の原資は、自らのパートやアルバイトからの収入や家族の収入になります。

ですから、支払能力の判定としては、自身の収入の程度や夫など家族の収入状況を勘案することになります。

▽年金生活者の支払能力の問題について

年金生活者の場合も、主婦と同様、年金以外の収入の状況や家族などの同居事情などを勘案して支払能力が判定されます。

主婦も年金受給者も、高額商品の場合には、家族などの連帯保証をつけることで、支払能力の補完と、家族の状況を把握しているようです。割賦販売法や貸金業規制法では、返済能力(支払能力)を超えるような契約の締結や貸付が禁止されていますので、判定に際しての見極めは慎重に行なわれています。

▽利用目的が高額商品や日常性の少ない商品の場合について

生活に必要な商品なら、主婦が契約したとしても、夫婦であれば夫に支払義務を負わせることができますので、問題となることはあまりありません。

しかしながら、高額商品や日常性の少ないものの場合には、問題となることが多いです。

ですから、このような場合は、慎重に判断するため、夫が関知しているかどうかや購入の目的などをたずねられるでしょう。

同じように、年金生活者の場合も、高齢であったり、判断能力が乏しいといった問題がありますので、購入の目的や家族が関知しているかを調べられるでしょう。

通常は、本人の年収の範囲内または日常の家事債務の範囲内での利用に限られると思われますが、いずれにしても信用情報機関を有効に活用して、多重債務となっていないかどうか十分チェックされます。

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